ユーザー様から頂いたナイフとの出逢いをご紹介致します。




私は昭和26年生まれのおじさんです。小さいころは山や川に毎日のように行って、木を切ったり、竹を切ったり、竹や木の刀を作ってチャンバラゴッコをしたり、それは楽しい日々でした。そして、絶対に欠かせなかったものは、肥後の守でした。これが最初のナイフとの出会です。

30歳のころ近くにナイフショップが出来て、その魅力にはまり、数本購入しました。しかし、ほしいナイフは高価で手に入れられず、やがて錆びてなくしてしまいました。35歳ころから磯釣りを始め、安価なフィッシングナイフを購入し使っていました。そしてG社の少し良いナイフを購入し、やがてインターネットでナイフ作家のことを知り、杉原渓童氏のナイフを購入しました。

昨日、Gサカイ氏のニューフォールデイングハンターを注文しました。
お気に入りのナイフを持って磯や山に出かける・・・・・・最高の気分です。わかりますよね・・・。




Mさん  平成15年4月24日






二つの出逢い


もう20年以上も前だろうか、とあるホビーショップでたくさんのナイフを見かけた。ナイフを見る目的で店に入ったのではなく、ただふらりと立ち寄ってみたのだった。ナイフの群れは圧倒的な存在感を持って私に訴えかけてきた。つまり欲しくてたまらなくなったのである。コンバットナイフの類にはまるでひかれなかったが、スタッグハンドルの美しい小振りなナイフが目に止まった。

当時も今もナイフに関する詳しい知識は持っていない。しかしただ単に道具としてのだけではない 何かに心が動いたのだと思う。決して安くないお金を払い持ち帰った。

値札には価格と共に確か手書きのボールペン字でサカイと書いてあった。今のG・SAKAIでは ない。ガーバーサカイでもなかったように思う。その切れ味には驚いた。それは今まで自分がまったく経験したことのないものだった。いつも持ち歩き使っていたがいつの間にかフライフィッシングをするようになり、当然のように何処へでも連れて行った。ところが先日、釣りから帰ってナイフが見あたらないことに気が付いた。

考えられる限り手を尽くして探したが見つけることは出来なかった。その喪失感といったら無かった。 人に対してではなく、物に対してこれほどの喪失感を味わうとは思っていなかった。

しばらく落ち込んでいたが、気を取り直し新しいナイフを買うことに決めた。 以前からアイダトラウトアンドバードには目をつけていたのだ。「こいつを買おう。ハンドルはやっぱりスタッグかな?」などと考えながらネットを あちこちさまよっている内、G・SAKAIのHPでとんでもないものを見つけた。

アイダトラウトアンドバードのアバロンシェルが倉庫で眠りから覚め、限定12本を 販売するというのだ。一目で惚れてしまった。しかもあと一本だけ在庫があると書いてある。まるで私を待っていたようではないか。これはもう必然の出逢いに違いないと思ってしまった私は、後先も考えず問い合わせのメールを出していた。

実は今手元にそいつがある。直感は間違ってはいなかった。
ただ一つ問題がある。使いたいんだけれど、なくしてしまうのも嫌だし、本当に困っている。


Tさん 平成15年6月21日



僕の最初のナイフははさみのついた赤いビクトリノックスでした。父親がもらってき たもので刃物が好きということとよく釣りに行くということが重なってはさみのバネが折れるほどつかいこんでいました。

バネがおれていても切ってはもどしてもう何年も使っていたのですが、ある日釣りに行って糸を切ろうとはさみを取り出したときに、あやまって手をすべらせ池に落としてしまいました。今は銀色ののこぎりがついたものをつかっています。

最近はやぶのなかを進んで山を のぼったりもするようになりもう少し刃渡りの大きなものも必要になってきました。さすがにやぶこぎには使えませんがビクトリノックスはいいナイフだと思います。


Wさん  平成15年10月17日



僕のひいお爺さんは大工だった。そしてその息子(僕のお爺さん)はそれらの道具を使い山仕事をしていたそうだ。  


僕は子供の頃、そのひいお爺さんが建てたという、黒く燻された太~い柱の茅 葺きの家に住んでいた。納屋には働き者だったお爺さん達が使い込んでまっ黒に なった大工道具や鉈・斧がズラリ。僕の胴体くらいあるノコギリもあった。残念ながらサビていたが、子供なりに眺めるだけでなんだかワクワクしたものだ。

僕の父は普通の会社員だが、田舎に住んでいるので薪を割ったり畑仕事や剪定をするのに刃物を使う。そんな環境のせいか、やはり僕も子供の頃からポケットには肥後之守や小刀が入っていて、何かをこじ開ける時やプラモデルを作る時、木や竹で玩具を作る時…つねにナイフを使っていた。

刃物を使えない友達には珍しがられた。自動鉛筆削り器やシャープペンシルも出てきていた世代なので、鉛筆をナイフで削れる人のほうが少なかったのだ。しか し、珍しがる人に限って「貸して~」と言っては平気で人を刺す真似をしたり、下手にこじって刃を欠いたりする。(…違う!刃物ってそういう物じゃないん だ)子供心に悲しくなったものだ。  

今はふつうの会社員でパソコンの前でデスクワークをしているが、やはりポケットには小さめのナイフが入っている。仕事中でもキャンプでも、固い梱包がしてある物を開ける時…とっさに紐を切りたい時…さっと出して切り、パチンとし まう。一瞬驚かれるが「あると便利なもんだね」と感心される。  

先日、実家の流しに砥石が置いてあった。聞けばひいお爺さんから使っていた ものだそうで、お爺さん、父と3代にわたり刃物を研いできたというわけだ。なでていたら何故だか目が潤んでしまった。  

時期がきたら僕は自分の子供にナイフを持たせるだろう。 恵まれた現代だからこそ、シンプルな道具の素晴らしさを知ってほしいから。手に小さな傷をつくる事もあるだろうが、かまわない。
自分がケガをする事で、人の痛みもわかるから。

…家にある砥石はどうやら5代以上は続く事になりそうだ。



 Cooさん  平成16年4月20日


 
カナダBC州を南北に連なるロッキー山脈とコースト山脈。その間を縫うようにアラスカとバンクーバーを結ぶ幹線国道(イエローヘッド)を仲間とレンタカーを走らせて約2千キロの旅をした。スケールの大きい自然の中でフライロッドを片手に、レインボウトラウトをはじめ、ピンクサーモン、キングサーモンなどのを相手に、時には征服感を味わい、時には敗北感に打ちひしがれ、大きな感動を存分に味わった。  

カナダを離れる最後の日に共通の思い出を買うため、バンクーバーでナイフの専門店に立ち寄った。お目当ては「トラウトアンドバード」だ。日本では希少価値とされ、なかなか手に入れない小さなナイフだが、カナダの専門店なら手に入ると思 ったのだ。ところが、その店には1本しかないという。店の女主人は、「2、3日待てば入荷する」と言う。「あす帰国するので、待てない」と事情を話すと、「ちょっと待て」と言って、女主人は遠来の客のために電話で商品を探してくれた。  

「貴方たちは運がいい。1時間ほどで届く」と朗報を聞いたときには、夢がかなった少年のようなうれしさがこみ上げてきた。われわれの驚きと感動の入り混じっ た様子を見た女主人は、努力が報いられた様子で一緒に喜んでくれた。雑誌でしか見たことがなかったそのナイフが目の前に現れたときには「なんて美しいのだろう」と感動した。野鳥やマスをさばく目的で作られたそのナイフの繊細な美しさにしばし見とれてしまった。

後に東京に転勤になった仲間は1年に数回、私が暮らす北海道を訪れて、一緒に旅をすることにしている。10年前にカナダで手に入れた「トラウトアンドバード」をポケットの奥に忍ばせて、少年のような気持ちで大自然の懐に抱かれながら、存分に遊ぶのだ。目的は釣りだ。

年月は過ぎるが、二人は何も変わってはいない。手の中に納まる小さなナイフは、二人にとっては永遠のペガサスなのかもしれない。


Tさん  平成16年8月9日



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