お便りをいただいたのでご紹介いたします。


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 W様 平成28年1月22日

私とナイフの出会いは、25年前に弟と釣りに行った時まで遡る。


当時渓流釣りが趣味だった私たちは、山に分け入り背の高い草木をかき分けながら進む必要があり、小生は手足を使って強引に攻め入り、弟はスマートにほんと小さなナイフを器用に使いながら力任せの小生を置いてきぼりにするくらい、うまくナイフを使っていた。

釣り場に着いても然り、小生は釣り上げた魚を魚籠にぽいっと入れるだけ。一方弟はその小さなナイフで釣り上げた魚をさばいて、冷えたクーラーボックスに入れていた。

しかもそのナイフで仕掛けを器用に作って、どんどん釣り上げるから小生との釣果の差は歴然。

帰ってからその魚を焼いて食べても、小生のそのまま魚籠に入れた方は若干生臭いのに対して、弟のナイフでさばいた方は断然新鮮で断然おいしかった記憶がある。

確か弟の使っていたナイフはアルマーのフォールディングナイフだったと記憶している。ほんとにほんとに小さなナイフだったのだが、小生はいつも釣りに出かける前に竿よりも仕掛けよりもエサよりも先に、ナイフ持ったか?と弟にいつも聞いていた。食い意地が張ってる証拠で懐かしい限りである。

それから幾年か経ち、お互いに結婚して子供もいるが、弟の方はもう釣りから完全に離れているが、小生の子供はまだ小さいが釣り堀や魚取りに夢中な時期で、小生の遺伝子が引き継がれていることを認識せざるおえない。 子供にも小さいうちからナイフを持たせている。小さな小さなアルマーのフォールディングナイフを。
たまには手を切るし、ヒヤヒヤする様な使い方もするが、それも勉強のうち。嫁もナイフを子供に与えた当初は渋い顔をしていたが、今は大賛成とまでは行かないが及第点は貰っている。

たまにそのナイフを使っている子供の姿と、弟の姿とを重ねてみている時がある。

弟の方がナイフを使いこなしていたなと思うときの方が多いが、ナイフは手の延長で決して危ういものではなく、美味しい魚を食べる為のものでもあることを子供が判る日もそう遠くないと確信している。

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お便りありがとうございました。投稿者様の弟様は25年前から活け締めをなさってたんですね!

(過去の活け締めに関する記事はこちら)






 私も子供には危ないから刃物を持たせるな!というのではなく、実際に正しい扱い方をレクチャーしてから子供に刃物を扱わせることが必要だと思います。時には子供が手を切ることがあっても、間違った使い方をするとどうなるかを体で覚えるのではないでしょうか。手を切り、失敗を重ねながら経験を積み、失敗の痛みを知るからこそ刃物の正しい使い方を深く学ぶ。その一環として日本の学校教育では小学校で彫刻刀を使い木彫りをして版画を作成し、刃物の正しい使い方を教えているのではないでしょうか?(彫刻刀で力を入れすぎて手を切ったことが皆様も一度はあると思います。私も同じく手を切り、その失敗からどのくらいの力を加えればいいのかとか手の位置はどこが安全なのかを体で覚えました)

刃物やナイフ=悪、危険なものだから持つな、触るな!という認識を与えるのではなく、刃物は道具であり便利なものであるが、間違った使い方をするとけがをしたり人を傷つけてしまうということを子供の時から教育していくことが大事だと思います。 

一部の人間が間違った使い方をすることで大多数の正しい使い方をしている人まで規制されていくのは悲しいことです。刃物は正しい使い方をすればとても便利なものです。今一度読者の皆様にもそのことを深く考えていただきたいです。



思い出のアル・マーシリーズはこちら

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